お受験の基礎知識
はじめに
小学校受験と聞いて「我が家は関係ない」と考える方も多いのではないでしょうか。
現在首都圏では小学校を受験する子供の数は1万人を超えると言われています。
それに対して同じく首都圏の6歳人口が約30万人程で、割合としては約3~4%程度となりますので大半のご家庭では実際に関係ないのかもしれません。
しかし、子供により良い環境で教育を受けさせてあげたいと考える方は多いのではないでしょうか。
そんな方々へ小学校受験の実情をこのサイトを通じ、少しでも知ることで参考にしていただければと思います。
私立と国立
ひとくちに小学校受験とは言っても受験を経て入学する学校には大きく分けて私立と国立の2種類があります。
考査内容は私立国立ともに学校によって様々ですがいくつか大きな違いがあります。
まず最初に抽選があるかないかです。
「抽選?」と思われるかたも多いのではないでしょうか。
実は国立小学校の受験には抽選があるのです。
しかも難関と言われる国立小学校に至っては2度もなのです。
希望者が多すぎて抽選をせざるを得ないというのが実情かとは思いますが、残酷なことにどんなに頑張ってきた優秀なお子さんでも試験すら受けさせてもらえないことがあるというのが現実です。
対する私立には抽選は存在しません。
だから平等かと言われると必ずしもそうとは言い切れません。
『縁故』枠が存在するという噂があるからです。
『縁故』とは、つまり『コネ』のことです。
本当に存在するのかどうかは「うちの子はコネで合格しました!」と大っぴらに叫ぶ保護者さんはいないと思いますので噂の域は出ません。しかし学校によって縁故枠存在の有無や人数に異なりはあるものの、おそらく存在することは間違いないでしょう。
ただ、どんな学校でも一般枠は存在しますので優秀なお子さんは受かるということです。
2番目に異なる点は教育水準です。
これは一概には言えない程両者とも基本的に高い水準にあると考えて良いでしょう。
どちらも入試をかいくぐってきただけのことはあって授業の輪を乱したりする生徒は少ないことと思います。
私立に関しては特にその高い水準というのは安定しています。
これは高い学費を払うことで設備や教師の水準を維持しているからです。
もちろん学校により差もありますが、どこの学校も魅力的な学校になるよう教育環境に力を注いでいます。
一方国立に関しては、教育水準が高いことは間違いないのですが、授業料が存在しないかわりに国の研究機関としての側面を持っています。
その性質から年度により授業内容にバラつきがあったり、教育実習や研修の場として使われることも多々あります。
そして3番目に付属校としての扱いの違いです。
小学校には付属という名のついた学校が存在します。
私立では付属という名前を使うことは少なく、学校名に大学の名を冠し、その大学の初等教育課程といった扱いが多いようです。
つまりはそこそこの成績をとっていれば大学までエスカレーターで進学できますということです。ここに魅力を感じる保護者の方も多いのではないでしょうか。
また、国立に関してはそのすべてが大学の付属校なのですが、これは先程も述べたとおり、大学の研究機関としての付属という意味が強く、エスカレーターで進学できるといった性質のものではありません。
一部では高校まで内部進学できるのは約2割という学校もあります。
せっかく努力して抽選をかいくぐって小学校に入学しても、更にその先に進むためには努力を継続する必要があるのです。
ただその先には一流大学への道が開けていることでしょう。
最後に学費の違いですが、それはまた後程詳しく触れていくこととします。
今からでも遅くない?
これに関しては一概に言うことはできません。
一般的には受験の2年程前から準備している家庭が多いかとは思いますが、直前期である夏頃から準備をはじめて合格する家庭もありますし、中にはほとんど対策をせずに合格したなんて話も聞きます。
ただそれは極めて稀な例でありお子さんの資質にも大きく左右されます。
記念受験であれば別ですが、しっかり対策をしておくに越したことはありません。
2年前とまではいかなくても、心に決めたのであれば1年前には対策をはじめたほうが良いでしょう。
小学校受験の倍率
皆様が気になることのひとつに受験における倍率の問題があるのではないでしょうか。
単純に志願者に対する合格率の割合のみを考えた場合は私立よりも国立の方が通学範囲に制限があるにも関わらず圧倒的な人気となっています。
一番人気なのが4000名近くが受験するといわれる筑波大学附属小学校で非公表ながら30倍以上といわれています。
単純に倍率だけをとるとお茶の水女子大学附属小学校や東京学芸大学附属竹早小学校の方が高いのですが、これはもちろん人気もさることながら募集人数が極端に少ない結果となります。
どうしてそんな倍率になるのかというと、ここには『とりあえず受けてみて受かればラッキー』といった『記念受験組』が非常に多く存在するからです。
実際に記念受験で合格する子供もわずかではあるものの存在するため、こういった受験組が後を絶ちません。
この『記念受験組』というのが真剣に合格を目指している家庭にとっては非常にやっかいな存在なのです。
訓練されていない子供は試験中に歩きまわったり、集団行動で輪を乱したりすることがあります。
年単位で頑張ってきた我が子の近くにそんな子がいたらと考えるとゾッとしますよね?
一方私立はというと難関名門校で5倍前後~となり、一番人気の慶應義塾幼稚舎でも10倍前後です。
国立と比べ倍率が低いのは高額な学費が足枷となるため、真剣に受験する子供がほとんどであり、結果として記念受験組をおさえることとなっています。
その他随時更新していく予定です。